過去開催の展覧会情報 2014

 
 


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虹を描く人 1940×1120mm
 
 
始まり 洞窟を出ると決めた人々 1120×5500mm
始まり 洞窟を出ると決めた人々 1120×5500mm



キャンバスに対峙する時間、心の中で自分の考えが発酵する時間、
その後に沸々と湧き出てくるものを描いていく


 大阪出身の画家・川合朋郎さんは、大学院を卒業後に祖父の出身地である三島市にアトリエを構え、個展を中心として油彩の作品を発表しています。キャンバスに対峙し、心の中から自然に湧き出てくる言葉(イメージ)を描く作風は、瞬発的な発想ではなく、穏やかで自然な心の感動を映し出しています。確かな表現力によって、川合さんの世界でありながら見る人の心へ静かに伝わってきます。絵画は作者のものでありながら、やはり、見る人へのメッセージでもあると感じさせます。
 「絵画ができる可能性を追求して、顕微鏡的な視点で物事をとらえ、そこから発展させるような抽象的なものを描いていた時代がありましたが、東日本大震災の様々な被害を目の当たりにして、10ケ月ぐらい筆をとることができない状況になりました。何を描くことができるのか、何を描けばよいのか・・・」
 そのときに川合さんの心に浮かんだのが「虹」でした。「虹を描く人」を描くことで、虹を希望に見立て、現在の状況から出ていくことを伝えるようになりました。その後、「洞窟を出る人」を描き、安心安全の今の場所を出ること、外へ出ることも表現したそうです。
 一旦、筆を持たない時期を経て、視野が広がったという川合さん。今の場所から飛び立とうとする人の姿からは、勇気や希望という言葉が自然に心に浮かぶようです。

(文/寺坂厚子)



山  970×1620mm

焚火 455×530mm

人々は議論に夢中で誰も虹に気づかない 1170×480mm




Sheep chair/2009年/メープル、牛革
brank
創作家具 近藤正樹 展

Sheep chair/2009年/メープル、牛革
 
 
 
 





 丹念に削り出されたなめらかな木肌の感触。触れてみたい、座ってみたいという気持ちにさせる近藤正樹さんの創作家具を紹介します。木の性質を見極め、知り尽くしてこそできる技の結晶です。作品の原点となるのは、アイルランドの家具工房「ジョセフ・ウォルシュ・ビスポーク」での家具制作でした。3年間、前衛的なデザインで名高いジョセフ・ウォルシュ氏の工房で素材としての木の可能性を学びます。この経験が1本の大木を自在に操り曲線として構成する現在の作品の原点にあります。帰国後、天使をテーマとした作品展に子供用の椅子「羽の生えた椅子」を出品し話題になりました。その後、木工では表現しにくい静物に着目し、コブラ、ヒツジ、ヘビ、マンタ、サソリなどをデザインしたアニマルシリーズの椅子を次々と発表。麻袋6個ぐらいの木屑が出るほど削り、なめらかな表情を創り出した作品もあります。
 近藤さんは、小さな頃から額、椅子、テーブルなど、工夫しながら物作りをする少年でした。また、バイオリンを作る工房を訪ねたときに、木工に対しての興味がより深まったそうです。大学卒業後に日本でも有数な木工技術を誇る飛騨高山での仕事を選択。そこで、今まで自己流で楽しんでいた木工技術の基礎を学び、様々な家具制作をしました。その後、「アイルランドで日本の職人を探している」という機会に恵まれ、アイルランドへ渡りました。日本で身に付けた技術とアイルランドで触れた世界各地の木工技術、異なる道具など、それぞれを生かす自分の作品へと夢が膨らみます。帰国後に創作するための土地として、自然に恵まれた丹那に工房を構え、個展を中心に活動。海外からも注目されています。

(文/寺坂厚子)




Snakes(部分)/2013年/クスノキ、
ブラックウォルナット







用と美を追求して楽しむための椅子、アニマルシリーズの誕生
Sheep chai(r 部分)/2009年/メープル、牛革

Sheep chair(部分)/2009年/メープル、牛革
Snakes(部分)/2013年/クスノキ、ブラックウォルナット
Snakes(部分)/2013年/クスノキ、ブラックウォルナット


Cobra/2011年/アズサ、牛革

IMPROVISATION2014 no.21

IMPROVISATION2014 no.21



 写真家・岡部稔さんは、抽象的な写真の作品を発表しています。写し出されているのは、加工されたものではなく、実際に撮影したものです。見る人は、現在のデジタル化によるアートとしてとらえるかもしれません。しかし、自然現象、実際に存在しているもの、見落としてしまいそうな部分、または、錆、汚れなど… 。見る人を引き込んでしまうドラマティックな世界として展開されています。
 作品を見たときに抱く「これは何? 」という質問に対しては、「作品を見た人が写っているものからイメージを膨らませてもらえばそれで構いません」と話す岡部さん。色と形で表現し、情報を削り、偶然性を大切にしています。被写体として選んだものに対しての思いを読み取るよりも、見た人自身が心に響く瞬間を楽しみたい作品です。
(文/寺坂厚子)



IMPROVISATION2014 no.06

IMPROVISATION2014 no.06






具象から抽象へ、景色から気色へ


IMPROVISATION2014 no.33

IMPROVISATION2014 no.33







brank

万華紋象嵌皿/径42×高さ6.5cm 2014年
 










自然を意匠化した美の世界


更紗紋象嵌扁壷
18.5角×高さ22cm/2013年

 陶芸家の増田晶さんは、自然豊かな下田の地で工房を構え、緻密なデザインでありながら、大らかで優しさが伝わる作品を発表しています。
「土が好きで、触っていると落ち着きます。今になって、父もそうだったのかもしれないと感じるようになりました」と話すように、陶芸への道はお父様の影響もあったそうです。美大でグラフィックデザインを専攻していましたが、学園紛争でロックアウトしていたため、一旦自宅に戻りました。当時、お父様は陶芸を趣味として楽しんでいたため、伊豆での陶芸家の知り合いも多く、高木伸氏のもとで修行することになりました。増田さんは、そのまま大学には戻らずに、陶芸家としての道を歩み始めることになります。縁あって、京都で学ぶことになり、釉薬の大家である福田力三郎さんのもとで修行する機会を得ます。また、丹波から九州の数多くの陶芸村を巡りながら、各地の陶芸に触れて学びました。

 その後、下田に戻り築窯し、古来からの天目釉や木の葉天目などを研究し、現在はデザイン性のある象嵌技法で個性的な作品を発表しています。
「息詰まったときに、下田の浜辺で刻々と表情を変える砂を見て、これを図案にしたいと思いました」これが、後に「風紋」として日本伝統工芸展に初入選した作品のモチーフです。現在も沸き起こるイメージを意匠化した作品を多く手がけています。
 また、三宅島での噴火の際に、伊豆に避難していた島民の方々との出会いにより、三宅島の火山灰を使用した作品も手掛けました。各地の陶芸村を巡った経験、グラフィックデザインを学んだ経験などを生かした制作が続いています。

(文/寺坂 厚子)




風紋象嵌壷
径42×高さ35cm/2010年
















更紗紋象嵌皿 径39×高さ8cm/2014年

夏休み子どもワークショップ
ワークショップ子ども作品展

第2回 上田彦次郎ガラス乾板写真展

 
 
「伊豆長岡温泉 温泉場通り」

「伊豆長岡温泉 温泉場通り」

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昭和の風景

 
修善寺出身の写真家・上田彦次郎氏(1901~1985年)が観光絵葉書のために撮影した昭和の風景の展覧会です。 日本大学国際関係学部所蔵のガラス乾板よりプリントした約50点を展示します。
情緒豊かな伊豆の名所ほか、東京、伊香保、富士山などの風景を紹介いたします。
 

大仁温泉商店街(仲通)と大仁駅

大仁温泉商店街(仲通)と大仁駅



東伊豆・片瀬温泉

東伊豆・片瀬温泉

伊豆韮山・蛭ヶ小島の富士

伊豆韮山・蛭ヶ小島の富士



東京・銀座四丁目

東京・銀座四丁目



写真提供/日本大学国際関係学部



闇の色をのぞく look in the color of darkness
2014 oil on canvas

鈴木健司 展

宙<そら>の道に至る(部分) reach the way of the universe 2014 oil on canvas
宙<そら>の道に至る(部分) reach the way of the universe
2014 oil on canvas
ぴったりな杖を探す
look for a good stick
2014 oil on canvas




 「油絵は化学のようでもある」と語る美術家の鈴木健司さん。絵の具の特性を生かして、透明感のある色を生み出しています。いつの時代でも作品には、時代的な背景、人とのかかわりなど多方面への思いが込められていることを伝えています。それは鈴木さんの作品も同様で、色、絵の具の表現、タイトル、さらに自分で作るキャンバスの形などを通して、社会へのメッセージが込められています。作品を並べるだけではなく、壁面と作品が一体となって、会場全体を作品として提案しています。「会場の空間に身を置いた時に、見る人の感じた世界が広がることを楽しんでほしい」と語ります。

(文/寺坂厚子)
公園の外を巡る
walk around the outside of the park
2014 oil on canvas



ここには誰もいなかった
146×112cm 2005年
横井山  泰 展

夜はすべての猫が灰色に見える
227×50cm 1999年
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
お面
42×26×12cm 2012年
かわいこちゃんはどこへいく〈部分〉
130×194cm 2013年

春と水蒸気
162×194cm 2003年



語りかけているものを共有する楽しみ

 絵画をはじめ、文学など様々な分野に造詣が深い横井山泰さん。作品が語りかけているものには、横井山さんが感銘を受けたことばや情景が根底として漂っています。主に個展を中心として活躍していますが、地元での開催は初めてです。タイトルの「まめでかえります」は、落語「鹿政談」になぞらえて、「無事に帰ります」という意味も込められています。今回は、それぞれの作品に込められたメッセージを作者からの言葉でも紹介します。
 キャンバスの中に描かれた動物(人間)を通して、自身の潜在的な心の風景や日常の思いなどを表しています。「真っ白いキャンバスに向かって、まず一色入れて、色を重ねていると、語りかけてくるものが鮮明に浮き上がり観えてくるんです。そこで、物語ができ、登場する動物や人が決まります。それは、特別なものではなくて、日常生活で気になっていることだったり、会話だったり、昔、どこかで経験したことだったり。初めはもやもやとしたものなのですが、次第にはっきりとしてきます」

 「美術に関しての興味を抱いたきっかけを作ったのは父。年賀状は自分で絵を描いていましたし、幼い時から美術展などへしばしば連れて行ってくれました。また、美大への進学を決意したのは高校時代の恩師小池求先生の影響。私の絵を認めてくださった先生です。大学では、相笠昌義先生に色の使い方の指摘を受け、独特の作風への自信もいただきました。文化庁の海外研修に推薦され、パリで暮らしながら本場の絵画を学びました」。パリでは、「感動すると作品になる」という素直な気持ちを学び、自由な今の作風が確立しました。
 アクリル、油彩、墨などを使用した絵画が中心ですが、描いたものを立体として登場させる表現も手掛けています。縁日で見かけるお面や「父の書斎にあった気持ち悪い」弥勒菩薩のお面などにも興味があり、次第に粘土で作るようになりました。現在、小学校と高校で美術の教師であることもあり、あえてお面で「自分を出す」ことを実践。新しい世界が広がりました。

(文/寺坂厚子)

山を望む棚田(長野県 白馬村)40×55cm 2013年

山を望む棚田(長野県 白馬村)40×55cm 2013年

前田 光一 木版画展
 
芽ばえの頃(田方郡 函南町)
54×80cm 1992年

瀬戸内の理髪店(広島県 呉市)
40×55cm 2014年

その場所の、その雰囲気を、確かに伝える、木版画




 洋画で培った描写力で、存在感のある木版画を発表している前田光一さん。新緑の頃の風のささやき、田園を彩る豊かな水、山々を包み込む透明感のある空の色など、日本の美しい風景を木版という手法で表現しています。年に数カ所のスケッチ旅行で、心に響く景色を描きためておきます。そして、訪ねた風景の空気までも感じさせる作品に仕上げていきます。

 中学時代から絵を描くことに興味を持ち、高校時代も予備校に通い、絵画の勉強をしていましたが、家業を継ぐために美大への進学を断念することになりました。しかし、仕事を終えた後にも石膏デッサンを続けるほど、芸術への思いは深く持っていました。そのなかで、手先の器用さが彫刻刀を使う方向へ導いたかのように、版画に出会います。地道な努力を重ね、公募展へ出品、入賞。その後、審査する立場になっても、より精緻な木版画に取り組んでいます。
 版画は浮世絵のように量産できるものとして発展してきましたが、版を作るということの創作性にも魅力を感じ、多くの作家が活躍しています。一枚の下絵を版として彫り分け、摺る色を決める作業は、複雑な計算能力が必要です。木版画で表現する整然とした美の世界を堪能したいものです。

(文/寺坂厚子)
秋の棚田風景(長野県 千曲市)
40×55cm 2003年
黄色い壁の通り(愛媛県 大洲市)
40×55cm 1993年

上:兎筒注器 W7.5×D12×H31cm 2013年 下:王筒注器 W7.5×D10×H28cm 2013年
 
志村  観行 展
 
上:兎筒注器 W7.5×D12×H31cm 2013年
下:王筒注器 W7.5×D10×H28cm 2013年

 
縁起尽くし縁起形壷
W37xD20xH41cm
2008年
色彩の積み木で表す陶芸の世界
 陶芸の奥深い魅力を伝える志村観行さんの作品は、繊細な描写で感性豊かな情景を表現しています。用としての器、鑑賞する器、絵画的なストーリーのある世界が住空間を彩るなど、陶芸の新たな楽しみ方として注目されています。大学時代に陶芸を基礎から学び、その中で自分スタイルの確立を模索しながら努力の日々を続けていました。自己表現の手段であった陶芸は目的に変わり、卒業後は縁あって、瀬戸の加藤釥氏に師事し、11年の年月を過ごします。大きな窯元でしたので、工房の仕事は多忙を極めていましたが公募展への出品などで自分の作品も制作していました。
 仕事としての陶芸に取り組みながらも、自分スタイルを追求する姿勢は持ち続けます。その一つが、象嵌を取り入れた装飾への取り組みです。しかし、象嵌での表現には制約も多く、さらに独自の技法を模索しました。シンプルな表現を求められる環境の中で装飾的なものへのこだわり、岐路に立ったときに選んだのは、自分らしい作風の確立。弟子頭としての重責を背負いながら、瀬戸からの独立。故郷で工房を構えます。近年、発表している技法は、その後に生み出された志村さんのオリジナルとなるものです。「色彩を形にしている」、「色の積み木」とも自身が表現するもので、奥行きのある色彩を追求した加飾表現が特徴です。工房を構えてからは公募展への出品は控えて、個展を中心とした活動で作り手と使い手が身近な立場で触れ合う機会を大切にしています。
(文/寺坂厚子)
空想科学図碗
(器を三方向から紹介しています)
W12xD12xH9.5cm
2013年

花殻 2013年

花殻 2013年

高木  倶 展

 
 
 
 
■会  期:2014年2月1日(土)~25日(火)


■時  間: 10:00~18 : 00(最終日は17: 00)
■休館日: 毎週木曜日
■入場料: 無料
 
作家在廊予定日: 2日、9日、16日、23日(すべて午後)

 
 
 





砂丘(車輪)1984年


溜池のある家 1980年

強い意志を伝える透明感のある描写

 東京で生まれ、出征、美術学校の中退などを経て、家族の疎開先の沼津に居を構えた高木俱さんは、独創的な現代美術を発表している作家です。四十歳の時に、それまで主宰していた造形美術研究所という美術を教える教室を閉じ、自身の創作活動に集中するようになりました。以後、ミクストメディアとよばれる、多種多様な技法や画材などを取り混ぜた独自の作風を確立。日本だけではなく、海外でのスケッチを基にした自然の情景を研ぎ澄まされた感性でモダンにまとめ上げています。また、詩人として作品の背景となる思いを文字でも表現しています。

 見る人それぞれが思いを重ねることができる、ひっそりと佇む自然の情景に目を向けた構図が多くあり、その一例をここで紹介します。「砂丘(車輪)」は、一時も同じ表情を保つことのない砂をモチーフとした作品、他にも静寂を求めて数多く描いています。イランの夕日に染まった美しい光景、アフガニスタンの雪の降る木立に明かりが冴える凛とした気高さなど、取材旅行にも多く出掛けて描いています。伝統や形にとらわれずに、自由な表現方法が魅力的な作品です。また、表紙に選んだ新作のタイトル「花殻」は、自分自身のことを意味しているそうです。「四年前に亡くした一人娘が語りかけている」という心象風景を表現。優しさあふれる父としての思いを描いています。

(文/寺坂厚子)




ヴァーミアン 1978年
砂丘に静寂を求めた初期 消費膨張の陰 些の栄光受く中期 常識の衣を脱ぎ 老残の花殻にきく今

 

憧憬(紬)
 
鈴木 紀代子 染織展

 
 
 
■会  期:2014年1月7日(火)~25日(土)


■時  間: 10:00~18 : 00(最終日は17: 00)
■休館日: 毎週木曜日
■入場料: 無料
 
作家在廊予定日: 初日・土日・日曜・最終日

 
 
 


矢羽根(紬)



創作は、自然と語り合いながら

鈴木紀代子さんは、素材や染料などに自然を生かし独自の織物を展開している染織家です。主に紬のきものを制作していますが、近年は、葛を用いた帯を発表。葛布は糸の取り方、使い方でずいぶん印象が異なりますが、殊に絹にも似た光沢と軽さに惹かれるといいます。長年の経験を生かして織り上げる紬のきもの、洗練された趣を漂わせる鈴木さんならではの葛の帯、常に染織の新たな可能性を追求しています。
「四季折々、手に入る染材で糸を染めておき、染まった糸を眺めながら、どうしたらその色を一番生かすことができるか、を考えながらデザインするのは楽しい仕事です」と語ります。自然が相手であるために、自分が主体となってはうまくいかないということも感じ、草木の色や素材を大切にした作風が確立しました。まさに、「自然を織る」ことそのものを伝えます。

染織家への道のりには、三つの節目がありました。東京でOL生活を送っていた時、ファイバーアーティストの堀内紀子氏と出会います。「何をやってもある種の息苦しさを感じていたのが、氏との交流の中で、ふっと呼吸が楽になったのを覚えています。ここなら生きてゆける、そんな気がしました」。堀内氏のもとで織りの基本をじっくりと学び、その後、信州で1年間紬織を学びます。東京に戻ったその年、東京国立近代美術館での「現代染織の美」という展覧会で初めて染織家・志村ふくみ氏の作品を目にします。「自分が今、始めたばかりの仕事の延長線上にこんな美しいものがあるのかと、強い衝撃と感動を覚えました」。
この時以来、自然を相手に織物を追求する日々が続いています。
(文/寺坂厚子)



春水・初音(葛布帯地)
宙(麻)